tomato11032の日記

たまに書く日記です


ハウスウェルネスフーズのお題「甘酸っぱい思い出のエピソード」




中学生の頃、好きな人がいた。

引っ込み思案な私は、好きな人がいると誰にも言えなかったけど、ある友達には言えた。



クラスでうまく馴染めなくて、クラスの人達から無視されるようなこともあって、うまくいかないなーとヘコむ毎日だった。

そのとき、席が近い子が話しかけてきた。

私と同じようにクラスから少し浮いてる子だった。

同じニオイがして、すぐ仲良くなった。

浮いてるっていう共通点があったけど、すごくかわいい子だった。

私となんか話していいのかなって思ってたけど、友達らしい友達がいなかった私は、ものすごく嬉しかった。

毎日楽しくなかった学校が少し楽しくなった。毎日楽しいって思えた。

そんな友達が出来て、バレンタインが近づいてきた。

中学生にはドキドキものの行事。

「好きな人いるの?」

そう聞かれて初めて、いると答えた。

あの人!?と驚かれるほどの冴えない人が好きだった。朴訥としてる感じが良かった。

「じゃあその人に渡してあげる」


!?

なんていう人だ。

クラスで浮いてる私がチョコを渡してもいいの?

そんな事したら、その人にまで無視が移ってしまうんじゃないかと思った。

浮いてる私が好きな人、としていじめの対象になるんじゃないか、と。

でもそんな事よりも好きな人に渡せる、という嬉しさが勝ち、ドキドキしながらチョコを買い、自分でラッピングした。


学校はチョコとかお菓子は持ち込み禁止だったから、ものすごくドキドキした。

悪い事をしているような気持ちと、好きな人に渡せる気持ちが入り混じった。


廊下で友達にチョコを渡し、友達が彼に持っていった。





その後の反応は何もなかった。

特に返事が来る訳もなく、私から彼に話しかけることもなく、それで終わった。

翌月のお返しもなかった。

それだけの事だったんだとキリをつけた。



そりゃそうか、浮いてる冴えない子に渡されても困るよね。

「返事ないね」

友達が言ってた。

私は「ははは…」と苦笑いした。





スルーされたのは悲しかったけど、友達の優しさがとにかく嬉しかった。

一人じゃないってことの安心感と、私に対して優しくしてくれたことが嬉しかった。



私から渡したらいじめになってたかもしれないな。

この子が渡したからスルーで済んだのかもしれない。



ありがと。渡しただけでも嬉しかった。



その友達、元気かな。

同級会にはあまり行きたくないけど、この子にだけでも会いたいね。

また世間話して笑いたい。



って恋愛から友達話になっちゃった。甘酸っぱいのかな。

恋愛で淡い思い出はこれっきりだなぁ。